ロシアとクリミア結ぶ橋開通、プーチン政権の実績誇示
モスクワ(CNN) ロシアのプーチン大統領は15日、同国本土とウクライナ南部のクリミア半島を結ぶ新たな橋の開通式に出席した。2014年に併合したクリミア半島へと至るこの橋の建設は、18年間続くプーチン政権の象徴的事業とみなされてきた。
欧州最長の19キロに及ぶこの橋が開通したことにより、ロシア当局はクリミア半島が同国本土と物理的な「再統合」を果たしたとの見解を示した。プーチン大統領は自ら運転するトラックで橋を走行し、開通式で演説。橋の開通は「偉大な業績」であり、クリミア半島の経済の活性化や地域住民の生活水準の向上につながるだろうと語った。
ロシア国営RIAノーボスチ通信によると、完成後の橋は1日に車両4万台の通行が可能になる見通し。鉄道が完全に運行すれば、年間1400万人の旅客と1300万トンの貨物を輸送できるという。
橋の建設は16年2月に始まったが、米国務省はこの年、建設に関わった企業7社に対して複数の制裁を実施している。
14年2月の武力によるクリミア併合の直後から、西側諸国はロシアに対する経済制裁を断行。これらの制裁は現在も継続中で、16年の米大統領選への介入疑惑が浮上してからは一段の拡大措置が取られた。
ロシア国民の愛国心に訴える観点からプーチン政権は橋の建設を政策の優先課題としてきたが、米国をはじめとする多くの国々がロシアのクリミア併合を承認しない現状では、同国の国際社会からの孤立を象徴する建造物との見方もできる。