スウェーデン、戦争に備える手引を配布へ 国内全世帯対象
(CNN) スウェーデン政府が近く、危機や戦争への備えを呼び掛ける手引を国内の全480万世帯に配布することが22日までに分かった。
「もし危機や戦争がやってきたら」と題した20ページの冊子で、同国の市民緊急事態庁(MSB)がまとめた。こうした手引は第2次世界大戦中に初めて配られたが、1980年代から30年以上、改訂されていなかった。
最新版に盛り込まれている情報は、偽ニュースの見分け方や異常気象への備え、テロや武力紛争が起きた場合の行動など。戦場の兵士や災害現場から避難する住民、コンピューターに向かうサイバーセキュリティー・チームのイラストなどが載っている。
手引では「スウェーデンが他国から攻撃された場合、抵抗をやめることは決してない」と強調。MSBを統括するダン・エリアソン氏は声明で「スウェーデンは多くの国に比べて安全だが、それでも脅威は存在する」との見解を示した。
手引は13カ国に翻訳し、「緊急対応週間」の今月28日から来月2日にかけて480万世帯に配布するという。
MSBの広報担当者が今年1月、CNNに語ったところによると、手引は北大西洋条約機構(NATO)とロシアがにらみ合うバルト海情勢を受けてまとめられた。
スウェーデンはNATO加盟国ではないが、NATOとの間でパートナーシップ協定を結んでいる。近年は特に、徴兵制の復活を発表し、国防予算を増額するなど戦争への警戒姿勢を強めている。