ロヒンギャ武装集団、ヒンドゥー教徒を大量虐殺 アムネスティ報告書
(CNN) 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルはこのほど、ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャの武装集団が昨年、ヒンドゥー教の村を襲撃し、女性や子どもを含む100人近くの住民を虐殺したとする報告書をまとめた。
ミャンマー西部ラカイン州では衝突の激化に伴い、昨年以来68万人以上のロヒンギャが隣国バングラデシュへ逃れている。ミャンマー政府はこの衝突について、武装組織「アラカンロヒンギャ救済軍(ARSA)」 が国境警備兵を襲撃したことが発端だったと説明している。
アムネスティによると、ARSAは2017年半ば以来、治安部隊との衝突を繰り返すと同時に、「違法な殺人や拉致を含む深刻な人権侵害」にかかわったとされる。
生存者がアムネスティに語ったところによると、2017年8月25日にはARSAがラカイン州マウンドーにあるヒンドゥー教徒の村を襲撃して男性と女性、子ども69人を集め、その大部分を殺害した。
同じ日に、近くにあるヒンドゥー教の集落では46人が姿を消した。アムネスティは、最大で99人が殺害された可能性があるとしている。
「残虐で常軌を逸した行為だった。ARSAのメンバーは何十人ものヒンドゥーの女性や男性、子どもたちを拉致して恐怖に陥れてから、村の外で虐殺した。この凶悪犯罪に関与した者たちの罪を問わなければならない」。アムネスティはそう強調している。
ARSAは住民の一部を襲撃に加担させたが、ロヒンギャの圧倒的多数は加担しなかったとも指摘した。
報告書は、生存者の証言や現場をとらえた証拠写真をもとにまとめられた。
ミャンマー政府は今回の報告書についてコメントを避けている。