印首相、世界環境デーで演説 プラスチック汚染への対策訴え
ニューデリー(CNN) 国連が定めた世界環境デーの5日、今年のホスト国となったインドでメーンイベントが開催された。「プラスチック汚染をなくそう」という今年のテーマに沿って、モディ首相が取り組みの強化を呼び掛けた。
モディ氏は「環境汚染で最も大きな打撃を受けるのは貧困層や弱者だ。私たちの環境を物質的な豊かさの犠牲にしないことが、一人ひとりの義務だ」と語った。
インドの南部のタミルナドゥ州は5日、生分解性でないプラスチック袋をはじめとするプラスチック製品の使用を来年1月から禁止すると発表した。
国連によると、世界ではプラスチックボトル入りの飲料が毎分100万本売られている。使い捨てのプラスチック袋は世界で毎年5兆枚も使われる。現在消費されているプラスチックの約半分は使い捨てで、再生利用されない限りごみになる。
インドの最大都市ムンバイに住む弁護士、アフロズ・シャーさんは、引っ越した先のマンションから海岸を見渡してプラスチックごみの多さに驚き、友人とともに清掃を始めた。今では数千人のボランティアが毎日、海岸のごみを海へ流出させないように清掃作業を続けている。
同氏はCNNとのインタビューで、ボランティアがこの3週間で拾ったプラスチックごみは1500万キロに上ると強調。さらに50万人、500万人の参加を目指すと語った。
インドはプラスチックごみのほか、大気汚染対策やトイレ普及などの課題を抱える。気候変動の影響とみられる深刻な熱波や干ばつにも見舞われている。