タイ王室の財産、国王名義に 納税義務生じる
(CNN) タイで王室資産管理の法律が24日までに正式に廃棄され、これまで「王室財産管理局(CPB)」が運用などしてきた王室資産がワチラロンコン国王名義に切り替えられた。
国王の大幅な資産増大につながるが、納税責任も伴うことになった。今回の名義切り替えは同法案の廃棄が昨年決まった後で既定路線となっていた。
CPBは公式サイト上で、サイアム・セメント、サイアム商業銀行両社の数百万株が国王に移譲されたと報告。今月15日時点での両社株価の終値は合計で70億米ドル以上だった。ただ、2社以外の分を含め今回の法案廃棄に伴ってどの程度の金額が動くのかは不明。
一族の資産を複数の項目に区分けしていた王室資産関連の法案は1936年に制定。同法の廃棄は国王管理に一本化したことを意味する。王室は報道機関向けの発表文の中で基金や資産の運用は今後、透明性を持つ開放的な審査方法で実施されると述べた。
タイ王室は世界では最も富裕な王室の1つと見なされている。米経済誌「フォーブス」は2012年、資産額は推定300億ドルと報道。一方、英紙サンデー・タイムズの富豪番付によると、エリザベス英女王は約5億ドルとなっている。
同誌の報道に対し在米タイ大使館は当時、編集部に書簡を送り資産の計算方法や説明が明確でないと反論。CPBの資産は国家のため保管されており、プミポン前国王の個人的資産の一部ではないなどと主張していた。
ワチラロンコン国王の即位は2016年12月だった。