米国が経済制裁を再開、イランに及ぼす影響は?
核合意後は欧州の主要企業が数十億ドル単位の契約を次々と結んでいった。しかし、資本調達と法人株主による投資の両方の観点から米金融街は重要であり、欧州企業は経済制裁第2弾のリスクに直面することはできない。
米国はイランの指導層と一般の人々との間に不和を引き起こし、最終的には政権交代を目指していると信じている人は多い。米政府は政権交代について否定している。
通貨リアルの暴落は一般のイランの人々にとっては大きな打撃だ。失業率は上昇し、特に若年層が厳しい状況に陥っている。輸入品のコストのせいでインフレも進んでいる。断続的な経済制裁が何年も続いていることでインフラへの投資が不十分なため水や電気が不足している。
ハメネイ師を最高指導者とする政治体制は、穏健派とみられている政府と強硬派の軍とのバランスを取ろうとしている。人々からの圧力を受けるのは今後もロハニ大統領ということになるだろう。
米政府に対して強い不信感を抱いている強硬派が勢いづくのは間違いない。強硬派はまた、国内のあらゆる場所に勢力を伸ばしていることから、イランが世界経済に対して完全に開かれた場合には失うものが最も多い存在でもある。