イタリア暴風雨の死者29人に 食事中の一家直撃、倒木30万本
暴風は所によっては52メートルにも達し、倒木による死者が相次いだ。有名なバイオリンメーカー、アントニオ・ストラディバリのバイオリンの材料となる樹木の産地でも、森林がなぎ倒される被害が出た。
ローマの南では車が倒木の下敷きになって若者2人が死亡。ナポリでは倒木が歩行者を直撃した。
ベネト州アジアーゴ高原では樹木30万本あまりがなぎ倒された。地元当局者はCNNの取材に対し、「何万本もの木がつまようじのように倒された」と話している。
水の都ベネチアは10月29日の暴風で記録的な高潮が発生し、街の大部分が水没。サンマルコ広場は湖と化し、歴史的建造物サンマルコ寺院の大理石の床も水浸しになった。
今回の洪水は、季節的な高潮と欧州南部を覆った勢力の強い低気圧による強い南風の影響で、アドリア海の海水がベネチアに押し流されて発生した。
ベネチアは気候変動の影響で高潮に伴う洪水が頻発するようになっている。CNNの気象専門家によると、気温の上昇と氷床の融解によって、事態は今後さらに悪化する恐れもある。