イタリア・ローマの「劣化」に抗議、市民が大規模デモ
ローマ(CNN) イタリアの首都ローマで27日、市の公共サービスやインフラが「劣化」しているとして現市政に抗議する大規模なデモが展開された。
主催者の発表によると、デモには2万2000人が参加した。警察は公式の参加者数を発表していない。
主催団体の代表者はCNNに、ローマ中心部で昨年5月に起きたバス火災がデモのきっかけだと説明し、「市民たちはこの日常に憤慨している」と語った。
そのうえで、2016年に就任した初の女性市長ラッジ氏の責任を追及し、同氏が所属する新興政党「五つ星運動」には指導力が不足していると批判。「毎日うそを聞かされ続けているが、かれらには何の経験もない」と述べた。
ローマではごみ収集が滞り、生ごみをえさにするネズミやカモメ、さらにはイノシシの被害が広がっている。市内のバスや路面電車は4割以上が整備不良や老朽化で運行を停止しているとされ、運転手のデモも続発。民営化を求める声が上がっている。
23日には地下鉄駅のエスカレーターが暴走し、ロシア人のサッカーファン24人が負傷した。道路の穴が死亡事故を招く例も少なくない。
デモ参加者の1人はCNNとのインタビューで、「ローマがこんなにひどい状況に陥ったのは見たことがない」「世界でも指折りの美しい街なのに」と訴えた。