ベネチア観光名所も冠水、イタリア全土で死者や孤立の被害続出
ローマ(CNN) イタリアの災害対策当局は10月31日、暴風雨などの悪天候によって死亡した人が11人に上ったと発表した。洪水に見舞われた水の都ベネチアでは、海水によって歴史的建造物に大きな被害が出ている可能性がある。
ベネチアは29日、高波と強風による大規模な洪水に見舞われ、街の大部分が冠水した。サンマルコ広場は湖と化し、歴史的建造物サンマルコ寺院の大理石の床も水浸しになった。
管理当局はサンマルコ寺院について、「たった1日で20年分の老朽化が進んだ。だがそれでも楽観的な見方かもしれない」としている。
12世紀の建造物マドンナ・ニコペイアの祭壇前の大理石の石畳は冠水し、洗礼堂なども浸水被害が出ている。
寺院の入り口付近のモザイク模様の床は、最大で高さ90センチの水に16時間浸かった。青銅の扉や柱、大理石なども水浸しになった。
管理当局によると、「寺院のレンガ造りの構造が海水にさらされて数メートルの高さまで痛んでおり、モザイクの装飾も危険にさらされている」という。
洪水は29日のピーク時には海抜156センチの高さに達し、ベネチアの4分の3が水没した。市内各地の浸水カ所で歩道が設置されているが、観光客や住民は腰までの高さの水に浸かりながら歩いている。店舗や飲食店も浸水を防ぎ切れず、バケツで水をくみ出す作業に追われている。
31日も最大で90センチ、11月1日は110センチの高波が予想されている。