アフガンで台頭するタリバーン、政府の統治は縮小 米報告書
(CNN) アフガニスタンの反政府武装勢力タリバーンが、この3年の間に勢力を強めている。米政府の監査機関がこのほどまとめた報告書で明らかにした。
アフガニスタン再建特別監察総監(SIGAR)が米議会に提出した四半期報告書によると、アフガン政府のコントロール下または影響下にある地域は、国土の55.5%にまで縮小し、SIGARが監査を始めた2015年11月以来で最低となった。
「コントロール」はいずれか一方がその地域を統治している状態、「影響」はいずれか一方が優勢な状態をさす。
2015年11月の時点では、アフガン政府は国土の72%をコントロールできていたが、現在は56%に後退した。これに対して、武装勢力が影響下もしくはコントロール下に置く地域は7%から12.5%に拡大し、国土の約3分の1は「紛争地」に分類されている。
この数字は、タリバーンの台頭に対して苦戦するアフガン軍の現状と、17年目になる内戦に関与してきた米軍にとっての暗い展望を物語る。
タリバーンが徐々に勢力を強める中で、民間人の犠牲者も増えている。武装集団による攻撃の増加や、タリバーンと政府軍の戦闘激化の影響で、今年の民間人の死者は過去最高を記録した。国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)によれば、6月30日までの民間人の死者は1692人に上る。
米軍が支援する空爆だけでも、今年1月1日~9月30日の間に民間人313人が死亡、335人が負傷。2017年に比べると39%の増加だった。