米国務省、駐ベネズエラ政府職員に退去命令 外交危機受け
ワシントン(CNN) 米国務省は24日夜、南米ベネズエラに駐在する政府職員に対して、緊急時に対応する職員を除きすべて同国から退去するよう命令した。両国の外交関係の危機的状況が背景にあるとみられる。
またベネズエラに居住したり旅行で滞在したりしている米国民に対しても安全上の警告を発し、航空便が利用可能な間に「出国を積極的に検討するべき」だとした。
警告では「米政府は、ベネズエラに滞在する米国民に向けた緊急サービスの供給能力を制限した」「もし国内にとどまるなら、避難するための適正な物資を確保すること」と強調している。
国務省による命令や警告の数時間前、ベネズエラのマドゥロ大統領は在米の大使館と領事館すべてを閉鎖すると発表。米国内の外交職員を全員引き上げさせるとしていた。またベネズエラ国内に駐在する米外交官には、72時間以内の国外退去を要求した。
ベネズエラでは23日、大規模な反政府デモが行われ、フアン・グアイド国会議長が暫定大統領就任を宣言。トランプ米大統領はグアイド氏を正統な大統領として承認したが、マドゥロ大統領がこれに強く反発する事態となっていた。
米国務省はベネズエラの軍と治安部隊に対し、グアイド氏とベネズエラ国民ならびに国内にいる米国人などの外国人を保護するよう求めたが、パドリノ国防相は24日、マドゥロ氏を「正統な大統領」として支持する考えを表明した。そのうえで「極右勢力」が「ベネズエラの民主主義に対してクーデターを仕掛けている」と非難した。