北朝鮮の食糧生産、過去10年余で最低 国連報告書
(CNN) 北朝鮮の昨年の食糧生産量は過去10年余りで最低の水準まで落ち込んだことが、国連の新たな報告書で明らかになった。
国連が北朝鮮のニーズなどについてまとめた2019年版の報告書によると、昨年の食糧生産量は495万トンと、2017年の545万トンから約9%減少した。農地が不足して農業機械や肥料が入手できず、自然災害が相次いだことなどが原因とみられる。
この結果、人口の約44%に相当する1100万人が栄養不良に陥っているとみられる。
報告書は、北朝鮮に対する1億2000万ドル(約130億円)規模の支援を呼び掛けた。
北朝鮮担当の国連常駐調整官、タパン・ミシュラ氏は「栄養不良のまん延が子どもの世代全体を脅かしている」と指摘。国連が昨年計画していた支援の多くが実行できなかったと述べ、「推定140万人に食糧援助を届けられず、80万人近くに必要な医療を提供できず、幼稚園児19万人と極度の栄養失調状態にある子ども8万5000人に必要な栄養を与えられなかった」と振り返った。
1990年代に北朝鮮を襲った飢きんでは、人口の約1割が死亡したとみられている。