メッシと対面のアフガン少年、タリバーンにおびえる日々
(CNN) サッカーのリオネル・メッシ選手(アルゼンチン代表、FCバルセロナ所属)にあこがれ、2年前に対面を果たしたアフガニスタン出身の少年、ムルタザ・アフマディ君(7)は今、反政府武装勢力タリバーンの影におびえる日々を送っている。
ムルタザ君は母シャフィカさんとともに、アフガンの首都カブールで避難生活を送る。外へ出て大好きなサッカーをすることも許されず、アパートにこもる毎日だ。「息子が注目を集めたりしなければよかった」と、シャフィカさんは話す。
ムルタザ君は2016年1月、ポリ袋で作ったメッシ選手のユニホームを着ている写真がインターネット上に投稿されて話題を呼んだ。メッシ選手からサイン入りのシャツとサッカーボールをプレゼントされ、この年の12月にはカタールで本人と対面した。
タリバーンがムルタザ君の出身地、アフガン南東部ガズニ州のジャゴリ地区に襲来したのは、昨年11月のことだった。親類が殺され、近所の家が荒らされ、街に銃声や叫び声が響いた。
「息子は有名になって、メッシに大金をもらったのだろうと疑われ、タリバーンだけでなくほかの集団からも狙われた」と、シャフィカさんは話す。ムルタザ君には通学をやめさせた。一家への脅迫は後を絶たなかった。
ムルタザ君は父に連れられ、シャフィカさんとともに近くの街へ逃れた。帰宅した父とはそれ以来会っていない。時々電話で話すだけだという。