ベネズエラ政府が国境の橋封鎖、人道支援物資を阻止
コロンビア・ククタ(CNN) 食糧や医薬品の不足により国民の窮状が深刻化しているベネズエラで、政府が隣国コロンビアとの国境の橋を封鎖し、人道支援物資の受け入れを実質的に阻止した。コロンビア当局者が明らかにした。
現場のCNN取材班も、橋の封鎖を確認した。コロンビアのククタとベネズエラを結ぶティエンディタス橋は、3車線を横断して大型の石油タンカー1台と2台の大型コンテナ2台が置かれ、道路をふさいでいる。
ベネズエラでは経済危機が深刻化する中、野党を率いるグアイド国会議長が自ら暫定大統領就任を宣言して国際社会に人道支援を呼びかけ、集まった支援物資がククタなど3カ所に集積されていた。
これに対してマドゥロ大統領は、「我々は物乞いではない」として国際援助を拒んでいる。
コロンビア移民省の広報によると、国境の橋は5日にベネズエラ軍が封鎖した。
ベネズエラ政府は、マドゥロ大統領を追い落とす作戦を覆い隠す目的で国際支援が利用される可能性もあるとして、警戒を強めている可能性もある。
国際社会では欧州の主要国や中南米諸国、米国などがグアイド氏を暫定大統領として承認、マドゥロ大統領に対する圧力が強まっている。
グアイド氏は4日、現状は危機的な状況にあると述べ、数日中に支援物資がベネズエラに届くとの見通しを示していた。
同氏は6日、再びベネズエラ軍兵士の良心に訴えかけ、「支援物資を止めるのではなく、通過させよう」と呼びかけた。国民に対しても、マドゥロ政権を拒絶するよう促している。