モスク襲撃から1週間、追悼式典でイスラムの祈り NZ
(CNN) ニュージーランド・クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)が襲撃され、50人が死亡した事件から22日で1週間がたち、イスラム教の祈りをささげる国の追悼式典が営まれた。
式典の様子は国営テレビで中継され、続いて犠牲者をしのんで2分間の黙とうがささげられた。
クライストチャーチでは、現場のモスクに近い公園で追悼式典が営まれ、数千人が参列した。
アーダーン首相は集まった人たちを前に行った演説で、イスラム教の預言者ムハンマドの言葉を引用し、「互いの優しさ、思いやり、共感を信じる者は一体も同然です。身体のどこかに苦しいところがあれば、身体全体が痛みを感じます」「ニュージーランドはあなた方と共に哀悼します。私たちは1つです」と語りかけた。
追悼の祈りをささげるイスラム教徒の周りには、連帯の証しとして何百人もの非イスラム教徒が集まった。アーダーン首相を含む女性の多くは、イスラム教に敬意を表して頭をスカーフで覆っていた。
黙とうに続き、事件現場となったモスクのイスラム指導者が説教を行った。「テロリストが、世界を分断させた悪の信念で我々の国を引き裂こうとした。だが我々は、ニュージーランドが分断不可能なことを見せつけた。世界は私たちの中に愛と連帯を見出すだろう。私たちの心は打ち砕かれたが、私たちは打ち砕かれていない。私たちは生きている。私たちは共にある。誰にも私たちを分断させはしない」
ニュージーランド警察は21日、死亡した50人全員の身元が確認され、遺体が遺族に返還されると発表した。事件現場となった2つのモスクは再建され、23日に返還される。