ウクライナ大統領選 候補者2人が血液検査、討論会控え
(CNN) 大統領選の決戦投票が今月21日に予定されるウクライナの首都キエフで7日までに、現職大統領と対立候補が討論会に臨む前、アルコールや麻薬の濃度を調べる血液検査を受け、その映像がライブ中継される異例の一幕があった。
決戦投票にはペトロ・ポロシェンコ現大統領と大統領選の第1回投票で首位だった人気コメディアンのボロディミル・ゼレンスキー氏が進出。血液検査はゼレンスキー氏が討論会開催に突き付けた条件の1つで、ポロシェンコ氏が同意した。
血液検査の披露は、決戦投票へ向けた選挙戦がメディア受けを狙ったショーと化しつつあることも印象づけた。
AFP通信によると、ポロシェンコ氏は血液採取の模様をフェイスブック上で流し、「我々は新たな伝統を創出している」と指摘。一方、ゼレンスキー氏はポロシェンコ氏が提案した一緒の血液検査を拒んだ後、個人病院で採取に応じた。ポロシェンコ氏の年齢をからかうように、「全ての血液を抜かれた。多くは私の若い血液だ」と記者団に冗談まじりで語った。
第1回投票で首位だった人気コメディアンのボロディミル・ゼレンスキー氏/-/AFP/AFP/Getty Images
医師によると、両氏の血液検査に問題はなかった。
討論会は7万人が入る五輪スタジアムで実施される。この開催場所もゼレンスキー氏の条件の1つだった。
大統領選の第1回投票の支持率はゼレンスキー氏が30%、ポロシェンコ氏が16%だった。政治経験が乏しいゼレンスキー氏は3年間続いたテレビドラマで落ちぶれていた学校教師がウクライナ大統領に突じょ就任する主役を務め、人気を得た。大統領選に出馬した当初は冗談と見なされてもいた。