ダロック駐米英国大使が辞任、外交公電のリーク受け
ロンドン(CNN) トランプ米大統領を「無能」などと批判したダロック駐米英国大使の外交公電がリークされた問題で、英外務省は10日、ダロック氏が辞任したと発表した。
反発を強めるトランプ氏は8日、もうダロック氏を相手にしないと表明していた。
9日夜には英国で保守党党首選に向けた討論会が行われ、次期首相有力候補のジョンソン前外相がダロック氏への支持表明を拒む場面があった。英政府当局者がCNNに確認したところによると、ダロック氏はこれを見て辞任を決断したという。
CNNはダロック氏に近い筋にコメントを求めているものの、回答は得られていない。
外務省高官のアラン・ダンカン氏は10日、英BBCに対し、支持表明を拒んだことでジョンソン氏はダロック氏を「裏切った」との見方を示した。
ダロック氏は外務省事務次官に宛てた書簡で、自身の立場や残りの任期を巡る「臆測に終止符を打ちたい」と説明。「現在の状況では自分の望むように職務を遂行するのは不可能だ」とし、年末まで任期が残っているものの「現状、新たな大使の任命を可能にすることが責任ある対応だと考える」と述べた。
ダロック氏が英政府に送った公電では、トランプ氏のキャリアについて「不名誉な形で終わる可能性がある」と指摘し、ホワイトハウス内の対立を「ナイフを使った戦い」と形容。こうした通信内容が英紙デイリー・メールにリークされていた。
メイ英首相は10日、ダロック氏が辞任せざるを得ないと感じたのは「大変遺憾な事態」だと述べ、「良き政府は公務員が完全かつ率直な助言をできるかどうかに懸かっている」と強調した。