記録的猛暑続く欧州、エアコン普及率5%未満 鉄道や原発もストップ
欧州の都市の多くは、これほどの猛暑を想定した設計になっていない。2017年の報告によると、欧州でエアコンの設備がある世帯は5%に満たない。影響は公共交通機関にも及んでいる。
欧州の多くの国では、列車が脱線する恐れがあるとして運行が停止された。24日にはベルギーからロンドンへ向かっていた長距離列車のユーロスターで故障が起き、乗客は40度の猛暑の中で、空調もないまま缶詰めになった。
英国の鉄道インフラを運行しているネットワーク・レールによると、ロンドン周辺の線路の温度は50度を突破すると予想されていた。これは平年のほぼ2倍に当たる。
フランス南部では気温が40度を超えたことから原発が運転を停止した。業界団体は、川の水の温度が上昇して海洋生物に危険が及ぶ恐れがあったと説明、環境に配慮した措置だったとしている。
極端な猛暑は欧州だけにとどまらない。インドは極度の干ばつと人的被害を伴う洪水を繰り返し、先週は米国で1億5700万人が猛烈な熱波に見舞われた。北極圏でも前例のない規模で山火事が頻発している。