米軍とカナダ軍の戦闘機、アラスカ沖でロシア軍爆撃機をインターセプト
ワシントン(CNN) 北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は、8日にアラスカ沖の上空で米国とカナダの戦闘機がロシアの長距離爆撃機2機の針路を遮ったと発表し、この様子を撮影した画像を公開した。
NORADの発表によると、核の搭載が可能なロシアの爆撃機「Tu95」がアラスカとカナダの防空識別圏に進入したため、米軍のステルス戦闘機「F22」2機と、カナダ軍の戦闘機「CF18」2機が針路を遮った。防空識別圏はアラスカ西部沿岸から約320キロまでの範囲に設定されている。
ロシアの爆撃機は公海上空で飛行を続け、米国やカナダの領空には侵入しなかった。
米国防当局は今回のようなロシア爆撃機の飛行について、危機的な事態を想定した訓練を行うと同時に、軍事力を誇示する狙いがあると見ている。
米当局者によると、ロシア爆撃機は数年前から年に数回この空域を飛行するようになり、今回と同じようにNORADが針路を遮っていた。
NORADによると、アラスカ西部の防空識別圏には先週もロシアの対潜哨戒機2機が進入していた。この時も米国の領空は侵犯しなかった。
米軍やカナダの戦闘機は今年5月と1月にも、防空識別圏を飛行したロシア軍爆撃機の針路を遮っていた。
一方、米軍も6月に地中海上空の国際空域で同様の飛行を行い、ロシア軍機に針路を遮られている。米軍はこれについて、ロシア軍機が危険な飛行を行ったとして非難していた。