写真特集:ハリケーン「ドリアン」被災地の様子
バハマ・マーシュハーバー/Fernando Llano/AP
(CNN) ハリケーン「ドリアン」に直撃されたカリブ海の島国バハマの被災地は、上陸から9日たった10日も電気も水もない状態が続く。住宅が軒並み土台から吹き飛ばされた地域もあり、バハマの全人口のおよそ17%に当たる7万人が住む家を失った。
警察によると、これまでに確認された死者は50人。アバコ諸島で42人、グランドバハマ島で8人の遺体が見つかった。
行方不明者の数は不明だが、大勢の人ががれきの下敷きになったり、高波に押し流されたりした可能性がある。現地では捜索救助活動が続いており、死者の数はさらに増える見通し。
特に被害が大きかったアバコ諸島では、これまでに約5000人が脱出したが、残る住民は窮状に立たされ、救援物資を受け取るために被災者が何時間も行列に並んでいる。
人道支援団体によると、同諸島ではマーシュハーバー地区だけでも約1100棟の建物が破壊された。グランドバハマ島では発電機も使えなくなって食品が腐り始め、住民が不安を募らせている。
米当局者によると、トランプ政権は、人道上の理由から一時的な滞在を認める「一時保護資格(TPS)」の制度を、ドリアンで被災したバハマ国民には適用しない方針だという。
首都ナッソーの避難所は8日までに満員状態になった。グランドバハマ島から避難してフェリーで米フロリダ州へ向かおうとした約119人は、ビザがなければ下船するよう命じられた。
米国際開発庁(USAID)のグリーン長官は被災地の状況について、「まるで核爆弾が落とされたような状態」と形容している。