英ヘンリー王子、大衆紙の親会社を提訴 電話ハッキングで
ロンドン(CNN) 英ヘンリー王子は5日までに、英大衆紙サンとデイリー・ミラーの親会社を相手取り、自身の電話をハッキングしたとする訴訟を提起した。
バッキンガム宮殿の報道官は、「留守電メッセージの違法な傍受」に関する請求を裁判所に提起したことを確認した。
ヘンリー王子の妻、メーガン妃は数日前、父親への私信を違法に掲載したとして英大衆紙メール・オン・サンデーを提訴。これに伴い、ヘンリー王子は英国の大衆メディアを痛烈に非難していた。
サン紙の親会社の広報担当はCNNの取材に、ヘンリー王子からの申し立てがあったことを確認し、現時点でこれ以上のコメントはないとした。サン紙の親会社はルパート・マードック氏が所有する「ニューズ・グループ・ニュースペーパーズ」(NGN)。
一方、デイリー・ミラーの親会社リーチの関係者は、訴訟については把握しているが、今のところ通知を受け取っていないと述べた。
ヘンリー王子は今週初めの声明で、英大衆メディアがメーガン妃に対し、母ダイアナ妃の場合と同様のバッシングを仕掛けていると主張していた。ダイアナ妃は1997年、乗っていた車がカメラマンのバイクに追われ事故死した。
メーガン妃に関する報道の一部について、ヘンリー王子は「いじめ」と感じると指摘。過熱報道の対象になったダイアナ妃に触れ、「歴史が繰り返す」ことへの懸念を表明した。
英国では2000年代初めに電話ハッキングを巡るスキャンダルが起き、11年にはNGNが発行する大衆紙ニューズ・オブ・ザ・ワールドの廃刊につながった。記者が警察に支払いを行い、有名人や議員、王室、殺人被害者などの電話をハッキングしているとの批判が出たこともある。