イスラエル検察、ネタニヤフ首相を起訴 収賄や背任などの罪
エルサレム(CNN) イスラエル検察は21日夕、3件の汚職事件をめぐりネタニヤフ首相を収賄と詐欺、背任の罪で起訴すると発表した。現職首相が刑事事件で起訴されるのはイスラエル史上初めて。
ネタニヤフ氏の弁護団は先月行われた起訴前の最後の審問で、検察に本件の終結を訴えていた。しかしマンデルブリット検事総長は起訴に踏み切る判断を示し、「イスラエルと私個人にとって非常に悲しい日だ」と説明。起訴の決定は「政治の問題、右派や左派の問題ではない」とも述べた。
一方、ネタニヤフ氏は同日夜にエルサレムで会見し、起訴を「首相に対するクーデターの試み」と形容した。
イスラエルでは議会が膠着(こうちゃく)状態に陥っており、正式な手続きは数カ月後になる可能性がある。ただ、通算13年以上にわたり首相を務めてきたネタニヤフ氏にとって大きな打撃であることに変わりはない。ネタニヤフ氏は3年近く前に刑事捜査が公になって以来、一貫して無実を主張している。
捜査の進展に伴い、野党議員からは退陣を求める声が再三上がったが、ネタニヤフ氏は辞任を拒否した。起訴された場合に辞任が必要な閣僚や通常の議員とは異なり、首相にそうした義務はない。辞任を求められるのは有罪判決とそれに続く上訴手続きの後となる。
マンデルブリット検事総長は今年2月に起訴内容の骨子を示し、収賄や背任の罪に問う意向を表明していた。
このうち最も重大なのは、ニュースサイトを所有する友人の富豪に規制上の便宜を図った件。検察によると、ネタニヤフ氏は見返りとして同サイトで好意的な報道を受け、記事や表現の選択にも影響力を行使したとされる。