ウイグル族収容施設の内部文書が流出、「再教育」の実態に言及か
香港(CNN) 中国当局が新疆ウイグル自治区で多数のウイグル族住民を拘束している問題などをめぐり、収容施設に関する複数の文書が流出したことが26日までに分かった。イスラム教徒が大半を占めるウイグル族対象のこうした施設について、中国政府は職業訓練を目的としたものと説明しているが、流出した文書からは厳重な管理・監視の下で収容者たちの再教育が行われている実態がうかがえる。
国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は24日、入手した6種類の流出文書を公開した。その中には裁判の判決文や警備に関する報告書のほか、新疆の治安を管轄する政府委員会からの「連絡文」も含まれる。文書のほとんどは2017年に作成されている。
このうち分量の多い「連絡文」は、すべての訓練施設が「絶対的に安全」でなくてはならないと明言。「脱走は決して許さない。トラブルも絶対に認めない。職員への襲撃も決して許してはならない。不審死を起こすのも厳禁」といった強い表現が並ぶ。
また「施錠は厳重に行うように」との指示があり、共同寝室や廊下などの扉は二重に鍵をかけること、開閉した際には直ちに施錠することなどと記載されている。
さらに施設に収容されている間は収容者を外部に接触させてはならないと規定。施設内のあらゆる業務は「高度機密に属する」ことから、守秘義務を徹底することも求めている。
収容者の教育プログラムに関しては、中国語の習得、「礼儀作法や、決まり事に対する従順な姿勢を含む態度の育成」、「思想的」教育の3点が主な要素として挙げられている。このうち思想教育が何を意味するのかは判然としないが、教育を施す立場の職員に対しては「思想上の矛盾を効果的に解決し、生徒らを悪しき感情から遠ざける」よう求めている。
これらの流出文書の内容が真実なのかどうか、CNNは独自に確認していない。中国政府は当該の訓練施設の運営について、域内の過激化を防ぐための措置だと一貫して主張している。