「ISISの花嫁」、アイルランドで逮捕 トルコからの送還直後に
(CNN) アイルランド警察は1日、トルコから送還されて首都ダブリンに到着した38歳の女を逮捕した。女は今年3月、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の支配地域から退去した人々が暮らすシリア北部の野営地でCNNの取材に応じ、ISIS戦闘員の妻としてシリアにわたってきたと話していた。
アイルランド司法省は声明で、女の身元をアイルランド軍の元兵士のリサ・スミス容疑者と特定。2歳の娘とともにトルコから送還されてきたと述べた。
アイルランド政府は上記のCNNの報道以降、スミス容疑者の本国送還に向けて対応してきた。司法省は声明の中で、本件に関連するあらゆる国家機関が密接に連携していると説明。コベニー副首相は国営放送のRTEに対し、「交戦地帯にいた2歳の女の子の安全確保を最優先に」関係機関が動いていると述べた。また現在のスミス容疑者については、「警察署で取り調べを受けている」とした。
シリア北部の野営地で取材を受けた際、イスラム教徒の女性が顔を隠すのに用いるベール「ニカブ」を身に着けたスミス容疑者は娘を腕に抱き、アイルランドに帰りたいと語った。さらに「ここにいる人全員がテロリストというわけではない。ごく普通の人々が間違いを犯したのだ」と説明した。
アイルランドに帰国すれば訴追されることになるが、と問われたスミス容疑者は、パスポートを取り上げられて渡航はできなくなるだろうとしたうえで「刑務所に入れられるのかどうかはわからない。すでに刑務所にいるようなものだ」と答えた。
トルコからアイルランドに向かう機内ではRTEの記者から帰国する心境について質問されたが、明確な返答はしなかった。
アイルランド警察によれば、同国の国籍を持つスミス容疑者の娘は現在親類の保護下にある。