スマトラトラの毛皮と胎児を押収、密猟容疑で5人逮捕 インドネシア
(CNN) インドネシア警察は9日までに、絶滅の恐れがあるスマトラトラを密猟した疑いで5人を逮捕した。捜索の結果トラ1頭の毛皮のほかプラスチック容器に入った胎児4頭分が見つかった。国営アンタラ通信が報じた。
警察と環境森林省の当局者がチームを組んで摘発した。スマトラ島のペララワンにある村の住民から密猟に関する情報を入手したという。
チームは7日に3人を逮捕し、プラスチックの容器に入ったスマトラトラ4頭分の胎児を発見した。この後、さらに2人の容疑者を逮捕。摘発の過程で成体のスマトラトラの毛皮も押収した。
容疑者らは最大で禁錮5年と罰金1億ルピア(約77万円)を科される可能性がある。
スマトラトラは深刻な絶滅の危機に瀕している。世界自然保護基金(WWF)などの団体の推計によると、1978年には1000頭以上がスマトラ島に生息していたが、急速な森林伐採と密猟の横行により、現在は400頭前後に激減した。同島の森林は85年以降、半分以上が失われている。
野生動物の取引を監視する「TRAFFIC」は、少なくとも年間40頭のスマトラトラが密猟で殺されていると指摘。生息地が縮小しているため、密猟も容易になっていると分析する。