中国裁判所、香港書店関係者に禁錮10年 外国へ情報提供で
香港(CNN) 2015年に失踪した香港の書店関係者5人のうちの1人でスウェーデン国籍の桂敏海氏(55)が25日、中国東部・寧波の裁判所で禁錮10年の刑を言い渡された。
桂氏は外国に情報を提供した罪に問われて有罪を認め、上訴はしないと表明している。
15年に行方不明になった5人はいずれも、中国の体制や習近平(シーチンピン)国家主席ら指導部に批判的な書籍を扱う香港の書店と出版社の関係者だった。
桂氏は中国東部出身で、1990年代初めにスウェーデン国籍を取得していた。15年にタイの別荘で姿を消した後、中国の国営テレビに出演し、10年以上前の飲酒運転を告白。禁錮2年の刑を言い渡されたが、服役前に逃亡していた。
17年に再び姿を見せたが、18年1月にスウェーデンの外交官と乗っていた電車内で、私服警官とみられるグループに拘束された。家族によると、桂氏は筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断され、スウェーデン人医師の診察を受けるために北京の同国大使館に向かっていたという。
中国当局は同年2月に桂氏の拘束を認め、国内法に違反したためと説明した。
寧波の裁判所によると、桂氏は18年に獄中で、中国国籍の回復を希望していたとされる。