英首相の上級顧問が「後悔せず」、封鎖措置中の長距離移動に批判も
ロンドン(CNN) ジョンソン英首相の上級顧問を務めるドミニク・カミングス氏は25日、ロックダウン(都市封鎖)の実施中に長距離移動をしたとして批判されている問題についてインタビューを受け、後悔はしておらず、謝罪をするつもりもないと語った。
カミングス氏は国民が新型コロナウイルス対策の自宅待機を求められている3月下旬、英イングランド北部へ400キロ以上移動し、両親の住まいを訪れたとされる。このとき同氏の妻には新型コロナ感染症の症状が出ていたという。同氏にはこの長距離移動について国民へ謝罪するよう再三圧力がかかっていた。
英政府が批判の渦中にあるカミングス氏をメディアの前に登場させるのは異例。カミングス氏は報道陣に対し「自分の行いに後悔はない」としたうえで、両親の家に向かうのが「最良の行動」と考えたと強調した。
また、この件に関するメディア報道のせいでロンドンにある自宅周辺の雰囲気がとても悪くなったと非難した。
カミングス氏は両親の家に滞在中、数キロ離れた町にも出掛けていたが、これについても健康状態を確認するために必要な外出だったと説明した。
ロンドンからの長距離移動は、ジョンソン首相に事前に伝えず決めたという。ジョンソン氏に確認を取るべきだったかと問われたカミングス氏は「わからない。取るべきだったかもしれない」と回答した。また、批判が噴出して以降も辞任は申し出ていないと付け加えた。
英政界では党派を超えて、ジョンソン氏に対しカミングス氏の更迭を求める声が高まっている。カミングス氏はジョンソン氏のブレーンとして首相就任を助け、政策発信にも関与しているとみられる。
ジョンソン氏は今回のカミングス氏の行動を擁護しており、長距離移動する以外に「選択肢がない」状況だったと理解を示している。25日には、政府の新型コロナウイルス対策に逆行するものだったとは思わないとの認識を改めて強調した。