前ローマ教皇ベネディクト16世に重病説、「容体は回復」とバチカン
ローマ(CNN) ドイツ紙パッサウ・ノイエ・プレッセは、前ローマ教皇ベネディクト16世が、帯状疱疹(ほうしん)のため極めて重い病状にあると伝えた。この報道を受けてローマ教皇庁(バチカン)は、ベネディクト16世の容体は回復しつつあると発表した。
ローマ教皇庁の広報はCNNに寄せた声明の中で、ベネディクト16世の健康状態について「93歳という年齢と、痛みはあるが深刻ではない急性の症状から回復しつつあるという事実を除けば、特に懸念する理由はない」と説明した。
パッサウ・ノイエ・プレッセ紙は、ベネディクト16世の伝記を執筆したドイツの作家ペーター・ゼーヴァルト氏の話として、1日に面会した時のベネディクト16世は極端に衰弱していて、声はほとんど聞き取れなかったと伝えた。それでもベネディクト16世は「楽観的な様子」で、体力を取り戻したら執筆活動を再開したいと語ったという。
バチカンニュースによると、ベネディクト16世の兄のゲオルグ・ラッツィンガー氏は、7月にドイツのレーゲンスブルクで死去した。96歳だった。ベネディクト16世は死の数日前に、ラッツィンガー氏を訪問していた。
ベネディクト16世は2013年、高齢を理由に退位して、「世界から身を隠す」と表明していた。