韓国、初の空母を建造へ 米国製のF35Bを搭載
韓国ソウル(CNN) 韓国国防省は13日までに、同国初となる空母を来年から建造するとともに、艦載用に米国のF35B戦闘機を取得すると発表した。
韓国は昨年すでに、「多目的の大型輸送艦」を建造すると述べ、空母への関心を示唆していた。しかし、政府は今週発表した2021~25年の国防中期計画で、空母建造の方針を初めて明言した。
国防省の声明では、この3万トン級空母について「部隊や装備品、物資の輸送を行い、垂直離着陸が可能な戦闘機を運用することができる」としている。
これとあわせ、韓国は米国製のF35B戦闘機を購入する予定。F35Bは短距離離陸・垂直着陸の能力を有し、小型空母での運用が可能だ。F35Bは世界で唯一生産中の短距離離陸・垂直着陸型の戦闘機となっている。
韓国はこれにより、日本や米国と同様、西太平洋上に展開する軽空母にF35Bを配備することになる。
試験飛行で甲板に着陸するF35B=2015年/Chief Petty Officer William Tonacchio/U.S. Navy
この3国はいずれも北朝鮮と緊張関係にある。北朝鮮は、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長とトランプ米大統領による核協議が物別れに終わったことを受け、ミサイル実験を再開した。
日本は2018年12月、F35Bの搭載を可能にするため、いずも型ヘリコプター搭載護衛艦を改修すると発表。第2次世界大戦以降、空母を洋上展開していなかった日本にとって、節目の出来事となった。
米国もまた、F35Bを搭載した強襲揚陸艦を日本に配備している。米海軍では小型空母を強襲揚陸艦と呼ぶ場合がある。
韓国の空母は排水量3万トンの規模となり、4万3000トンの排水量を誇る強襲揚陸艦「アメリカ」よりも日本のいずも型に近くなる見通しだ。
東アジアでは中国も大型の強襲揚陸艦を建造してきた。ただ、中国は今のところ、短距離離陸・垂直着陸能力を持つ艦載戦闘機は保有していない。