英貴族に性的暴行で禁錮10カ月の判決、自らの居城で犯行に及ぶ
ロンドン(CNN) 英スコットランドの裁判所は23日、エリザベス女王の親類に当たる貴族に対し、性的暴行の罪で禁錮10カ月の判決を下した。昨年、自身の所有する城で女性の寝室に押し入り、暴行に及んだという。
ストラスモア伯のサイモン・ボーズライアン被告は前回の審理で自身の有罪を認めていた。昨年2月の犯行で、場所は自らの居城であるスコットランドのグラームス城だった。
34歳のボーズライアン被告はエリザベス女王のいとこの孫に当たり、女王の母、エリザベス王妃の家系に属する。
判決はスコットランド・ダンディーにある州裁判所で言い渡された。グラームス城はエリザベス王妃が幼少期を過ごした城でもある。
公判内容によると犯行当時、被害女性は3日間のイベントに参加するため同城に滞在していた。就寝中だった午前1時20分ごろ、酒に酔ったボーズライアン被告が寝室を訪れ、ドアを開けるよう説得。部屋に入ると女性をベッドに押し倒し、暴行した。部屋を去るよう言われても拒み、20分間居座り続けたという。
裁判官はボーズライアン被告について、「女性が寝室のドアを開けようとしても繰り返し閉めた」とし、拒絶の意思を明らかに示したにもかかわらずすべて無視したと結論した。
また、1年が経過してもなお、女性はときおり犯行時のことを夢に見てうなされたり、パニックに陥ったりしていると付け加えた。
ボーズライアン被告は今後10年間性犯罪者として登録もされる。同被告の城は自宅軟禁の基準を満たしているものの、その程度の量刑では犯した罪の重大さに釣り合わないと判断したという。
報道担当者がCNNに送った声明の中で、ボーズライアン被告は、自らの行為が居城に招待した女性にこれほどの苦痛を与えたことを大変に恥ずかしく思うと述べた。女性には自らの行為を自覚した後で即座に謝罪したとし、判決が出たのを受けて改めて心から謝罪すると語った。
そのうえで、当時は明らかに酒を飲みすぎていたとしつつ、それを言い訳にできないことは理解していると述べた。
英国の法律では、性的暴行の被害者は自動的に匿名性を保証される。