大規模墓地を掘り起こしへ、内戦戦没者3万3000人眠る スペイン
3月29日には、政府が300万ユーロの予算をより広範なプロジェクトに割り当てたとも発表していた。このプロジェクトは「内戦中と独裁政権下で行方不明となった人々の捜索、身元特定、尊厳の付与」を念頭に置いたもの。
「戦没者の谷」の一部についてはフランコ政権下の政治犯も建設に貢献した。フランコ総統自身も1975年に死去した後、当該の地下聖堂に埋葬されたが、2019年10月に掘り起こされ、妻が眠る別の墓地に移されていた。
墓の移設はサンチェス首相が18年に就任する際の重要公約の一つだったが、フランコ総統の遺族や極右の支持者らは計画に反対。遺族が不服を申し立てたものの、訴えは退けられた。
「戦没者の谷」は観光名所にもなり、極右の支持者らが毎年フランコ総統の命日に当たる11月20日に集会を行っていた。
フランコ総統は1930年代後半から死去するまでスペインの実権を掌握。その政権により、内戦とそれに続く数年間で数千人の処刑が行われた。
スペイン政府は2007年に制定した法律でフランコ政権を公式に非難。「戦没者の谷」での政治集会を禁止していた。