ヒキガエルの毒を使った儀式で男性死亡、ポルノ男優を殺人で起訴 スペイン
(CNN) スペインでヒキガエルの毒を使った儀式の最中に男性1人が死亡した事件で、儀式を主導したポルノ男優のナチョ・ビダル被告(47)が、未必の故意による殺人罪で起訴されたことが分かった。
法執行当局によると、ビダル被告(本名イグナシオ・ホルダ・ゴンザレス)は昨年5月、11カ月に及んだ捜査の末に故殺容疑で逮捕された。
地元裁判所によると、事件は東部バレンシア近郊の町エンゲラで2019年7月に発生。捜査の結果、死亡した写真家の男性は「スピリチュアルまたは神秘主義的」な儀式に参加していたことが判明した。
この儀式はビダル被告の自宅で行われ、「ブフォ・アルバリウス」と呼ばれるヒキガエルの体の一部を燃やし、発生した有毒の煙を吸い込むというものだった。
中毒対策センターのサイトによると、ブフォ・アルバリウスは「コロラドリバーヒキガエル」などの名でも知られ、幻覚効果のある「5―MeO―DMT」という化学物質を分泌する。より知名度の高い向精神物質「ジメチルトリプタミン(DMT)」に比べ4~6倍ほど強力だという。
ビダル被告の弁護士は、CNNの19日の取材にコメントを控えた。弁護士は昨年6月、CNNに対し、男性の死は「悲劇的な事故」であり、被告に責任はないとの見方を示していた。
ビダル被告は今回の決定に不服を申し立てることができる。起訴が行われたのは17日で、検察は同日から10日以内に公判を請求するか、起訴を取り下げるかを判断する。
スペイン刑法142条の規定では、有罪となった場合、ビダル被告は4年以下の禁錮刑を言い渡される可能性がある。
公式サイトによると、ビダル被告はポルノ業界で26年のキャリアがあり、少なくとも1万シーンに出演している。