「死ぬと思った」ミャンマー軍が市民に拷問、拘束者や離脱兵が証言
(CNN) 19歳の少年は両目が腫れ上がり、うまく開くことができない状態だった。顔面はあざだらけ、両肩と背中には深い傷痕が生々しく残る。少年によると、ミャンマー軍に拘束された際に、ケーブルで何度もむち打たれてできた傷だった。
「自分は死ぬと思った」。少年は傷痕の写真を見せながら、軍の収容所で拘束されていた3日間を振り返ってそう語った。安全上の理由から、名前が出ることは望まなかった。
政治犯支援団体AAPPによると、少年は2月1日のクーデターで軍が実権を握って以来、拘束された4400人あまりの1人だった。ミャンマーではクーデター反対派とみなされた市民が弾圧され、政治家や抗議デモ参加者、ジャーナリスト、スト決行の労働者、有名人、子どもや傍観者までもが拘束されている。
多くは夜間の急襲で連行されたり路上で連れ去られたりして、家族と連絡が取れない施設に収容されている。どんな状態に置かれているのかはほとんど分からない。
しかし解放された市民や軍の離脱者、家族などの証言から、残虐な暴行や拷問の実態が明るみに出た。
19歳の少年は今月9日、バゴーに出かけてヤンゴンへバイクで戻る途中、軍の検問で止められたと話す。AAPPによると、この日はバゴーで大規模なデモ弾圧があり、治安部隊によって80人以上が殺害されていた。
少年は抗議デモに参加する写真を兵士に見つけられ、拘束されたという/Obtained by CNN
かばんと携帯電話を捜索した兵士は、抗議デモで盾を持つ少年の写真を発見する。
少年は軍の施設に連行され、両手を縛られて、警備員にケーブルや銃身、ガラス瓶で何度も殴られたと訴えている。