イスラム学校を武装集団が襲撃、生徒ら150人以上が行方不明 ナイジェリア
(CNN) ナイジェリア西部ナイジャ州の警察によると、同州テギナのイスラム学校が5月30日、武装集団に襲われ、生徒ら150人が行方不明になった。
オートバイに乗った武装集団がテギナの町に乱入して無差別に発砲し、多数の生徒らを拉致した。この過程で1人が撃たれて死亡した。
学校長がCNNに語ったところによると、連れ去られた生徒の正確な人数は不明だが、150人以上の行方が分からなくなっている。
州知事は31日の記者会見で、治安当局が生徒らの解放に向けた交渉を進めていると説明し、身代金は払わないとの立場を強調した。
学校への襲撃が後を絶たないことから、テギナ地域の全寮制学校をすべて通学制に切り替え、各校に対応チームを配置したとも語った。
襲われた学校には幼稚園児から中学生までの子どもたちが在籍している。州当局の報道担当者が31日、CNNに語ったところによると、年少の子ども少なくとも11人がまもなく解放された。幼児の足では犯行グループの逃走ルートとなっている山道を抜けられなかったためとみられる。
テギナから約18キロの町カガラでは3カ月前、生徒たちを含む42人が武装集団に拉致された。北部カドゥナ州の大学では4月に拉致された学生らが先週解放されたが、人質になっていた間に5人が殺害された。
ナイジェリアでは昨年末以降、学校からの集団拉致事件が相次いでいる。一部の州知事らは人質解放のために身代金を支払っているが、その事実を公に認めるケースはまれだ。同国のコンサルティング会社が昨年出した報告書によると、2011年6月から20年3月までに全国で支払われた身代金の合計は推定1834万ドル(現在のレートで約20億円)に上る。