ハイチ首都で暴力沙汰が頻発、1万人超の市民が避難 ギャング団の抗争で
(CNN) ハイチの首都ポルトープランスでは、一部の地域で銃撃や放火などの暴力沙汰が相次いでおり、援助団体によれば、1万人超の市民が自宅から避難したり、危険な地域に取り残されたりする事態となっている。
最近では先月29日夜、連続して殺人事件が発生し、同国政府の発表によるとジャーナリストや活動家などが殺害された。
同国政府は「憎むべき行為と、ハイチの人々のあらゆる階層で、苦しみと悲嘆の種をまく盲目的な暴力を強く非難する」との声明を発表し、殺人犯を司法の裁きにかけるよう国家警察と法務省に指示したと述べた。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、推定95組の武装犯罪組織の間での犯罪行為や縄張りをめぐる争いが首都で「広範なパニック」を引き起こしているという。
同組織によると、武装したグループは地元警察を標的とする他、障害のある人々が暮らすキャンプや一般市民の住宅のある区域に火を放っている。6月だけでも暴力沙汰によって推定1万3600人の住民が自宅から避難する事態となっており、ギャングの活動によって避難を強いられた人々の数は過去9カ月間の3400人から大幅に増加している。
首都を拠点に活動する国連児童基金(ユニセフ)の代表者ブルーノ・マース氏はCNNに対し、同基金は女性や子どもたちから、武装グループによって自宅が燃やされたとの「数百もの」証言を集めたと説明。
抗争によって援助団体は教会や公共の施設で保護されている多くの避難家族と直に接触することが妨げられていると話した。