韓国ソウルと豪シドニーでロックダウン強化 デルタ株拡大の恐れ
(CNN) 韓国の首都ソウルとオーストラリアの最大都市シドニーはそれぞれ9日、新型コロナウイルス感染対策のロックダウン(都市封鎖)措置を強化すると発表した。両都市ともインド由来のデルタ株が勢力を強めている。
韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は9日の会見で、首都圏の規制措置を12日以降、現行の「レベル2」から最大の「レベル4」に引き上げると発表した。
現在は5人以上の集まりや、レストランでの午後10時以降の飲食が禁止されている。引き上げ後はレストランでの会食を含めた午後6時以降の2人を超える集まりや、展示会や集会など大半のイベントが禁止され、結婚式と葬儀の出席者も家族に限定される。
市内や周辺の学校は14日からオンライン授業に移行し、そのまま1~2週間後の夏休みに入る。
韓国疾病予防管理庁(KDCA)によると、8日に確認された新規感染者は過去最多の1316人。このうち1236人が市中感染で、ソウル首都圏での報告が78%を占めた。
KDCAの鄭銀敬(チョンウンギョン)長官は8日、デルタ株の感染が確実に増加していると指摘し、来月には主流になる可能性もあると述べた。
シドニーでもデルタ株が勢いを増すなか、9日から規制措置が強化された。買い物は必需品に限定され、3人以上のグループで運動することや、必要な場合を除き自宅から10キロ以上離れることが禁止された。先月26日から始まったロックダウン措置は、少なくとも16日まで継続される。
シドニーを州都とするニューサウスウェールズ州のベレジクリアン知事は9日の記者会見で、州内のワクチン接種率が9%にとどまり、全国で17歳以上の10.18%という数字を下回っていると指摘した。