抗議激化の南ア、ズマ前大統領収監後に72人死亡
ヨハネスブルクでは13日、兵士らが実弾を込めたライフルを手に、装甲兵員輸送車で通りをパトロールする様子が見られた。
隣国ボツワナの政府は同日、市民に対して南アフリカの一部地域への不要な渡航を控えるよう勧告を出した。
南アフリカのラマポーザ大統領は12日夕、国民向けの演説で平静を保つように呼び掛け、影響の出ている地域に軍を派遣すると発表。抗議や略奪の発端に政府への不満がある可能性は認めつつも、これに便乗した犯罪分子が抗議行動を乗っ取ったとの見方を示した。
ズマ前大統領は反アパルトヘイト運動の英雄、故マンデラ元大統領とともに10年間刑務所で過ごし、解放運動の重要人物として長年たたえられていた。
だが、2009~18年に大統領を務めた際に汚職疑惑が浮上。関係の近い3人の兄弟実業家が汚職に絡み、ビジネス上の利益に沿うような閣僚の任免など政策への影響力を行使した疑いが出ている。この3人は違法行為を否定したが、前大統領の退任後に出国している。