抗議激化の南ア、ズマ前大統領収監後に72人死亡
ヨハネスブルク(CNN) 南アフリカでズマ前大統領(79)が7日に収監された後に抗議活動や略奪行為が続き、警察によると、これまでの死者は少なくとも72人に達した。軍や警察は13日時点でも治安の回復に苦慮している。
抗議は先週、ズマ前大統領が法廷侮辱罪で1年3カ月服役するため出頭した際に発生した。前大統領はこれに先立ち、反汚職委員会に出席して贈収賄や詐欺などの疑惑について証言するのを拒んでいた。これまでも疑惑については繰り返し否定してきた。
警察省の報道官はCNNの取材に、死者にはソウェトで人々の下敷きになって亡くなった10人も含まれると明らかにした。前大統領の出身地であるクワズール・ナタール州やハウテン州では1200人以上が逮捕されている。
デモ隊や略奪者はこれまで1週間近く、ショッピングモールへの放火や警察との衝突を続けてきた。警察はゴム弾で応戦していたが、今は圧倒される状況となり、支援のため軍が投入される事態となっている。
CNNがソウェトを訪問したところ、店舗を所有する男性は取材に、「今でさえどこにいればいいのか、何を食べればいいのか、これから何をするのか、何一つ分からない。私たちは全てを失った」と語った。