インドネシア陸軍、女性新兵の「純潔検査」の廃止示唆
(CNN) インドネシアのアンディカ・ペルカサ陸軍参謀長は7日までに、女性の新兵に義務づけ、人権団体から非難されていた性的交渉の経験がないことを調べる「純潔検査」を廃止させる考えを示唆した。
この検査は過去数十年間維持され、男女の医師が指を使い女性の性器を調べていた。国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウオッチは性差別の暴力と非難。世界保健機関(WHO)も科学的根拠もない被害者の人権侵害と批判していた。
同参謀長は、ユーチューブに先月に内容が載った電話会議で、廃止を示唆すると共に今後の訓練は能力を重視すると主張。「男性のための選抜方法が女性の試験にも適用されるべき」とし、基本的な軍事訓練をこなせる能力検査に重きを置く考えを示した。
「一部の試験は不必要で見当違いでもある」と語った。
ヒューマン・ライツ・ウオッチは声明で参謀長の発言を歓迎。その上で海軍や空軍も同様の検査廃止に追随する必要があると強調。国家警察の女性採用でも導入されていると指摘した。
同団体は2014年、軍や警察などを対象にした純潔検査に関する調査結果を発表。この中で当時24歳だった女性は心理的な大きな打撃を抱え続け、別の同僚の女性が痛みから気を失ったとの体験も伝えていた。
ヒューマン・ライツ・ウオッチは6日、CNNの取材にこの種の検査は同年以降、国家レベルでは公式に中止されたと指摘。
首都ジャカルタで活動する同団体の調査担当者は、男性の間には「ふしだらな女性」は軍務や警察の仕事を禁止されるべきだとの見方があるとも述べた。一般的に、純潔検査への反対意見は男性より女性に多いが、「検査の多くの犠牲者は沈黙し続けている」とも述べた。