ISIS系、カブール空港へのテロ攻撃を謀議か 米分析
(CNN) 米国民らの国外退避が続くアフガニスタンの首都カブールの国際空港やその周辺で過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」系の組織によるテロ攻撃の脅威が高まり、米軍が空港へつながる新たな経路開設に動いていることが22日までにわかった。
米国防総省当局者はCNNの取材に、テロ攻撃の可能性は強いと指摘。カブールにいる上位の外交官はこの脅威の信用度は高いとしながらも差し迫った段階にはないと述べた。
代替の進入経路は国外避難を急ぐ米国人、外国人や資格要件を満たしたアフガン人に提供されるとした。
同省当局者によると、アフガンの実権を握ったイスラム主義勢力タリバンもこの代替経路の設定を把握し、米側と協力しているとした。アフガンで活動するISIS系組織はタリバンの仇敵(きゅうてき)ともされる。
米国防総省は国外退去のため人々が殺到するカブール空港周辺の状況を注視。ISIS系組織による攻撃は車爆弾、自爆攻撃や迫撃砲攻撃などの可能性があるとした。
代替経路の計画ではタリバンと協力し、人々の集まりを分散させ、大規模な群衆の出現を阻止するなどとしている。
このISIS系組織は「ISIS―K」と自称。「K」はアフガンやパキスタンなどの地域を含むとする「Khorasan(ホラサン)」を意味する。両組織はイデオロギーや戦術を共有するが、組織面や指揮系統、管理面でどの程度密接な関係にあるのかは全面的に解明されていない。
米情報機関当局者は以前、ISIS―Kの構成員にはシリアから来た経験豊富なジハード(聖戦)主義者らの少人数が含まれるとし、幹部級の工作員10〜15人を割り出したとCNNに明かしてもいた。