菅首相、自民党総裁選に出馬しない意向
東京(CNN) 自民党は3日、菅義偉首相(72)が9月29日の総裁選に出馬しない意向であることを確認した。実質的に首相の座を明け渡した格好で、総裁選の行方は他候補に委ねられることになった。
菅氏は安倍晋三前首相が昨年9月に健康問題を理由に辞任したのを受け、1年足らず前に首相に就任した。
11カ月の在任期間中、菅氏は新型コロナウイルスの感染者増加やワクチン接種の遅れが響き、支持が低迷していた。
自民党の二階俊博幹事長は3日、記者団に対し、菅氏が党の役員会で「新型コロナウイルス対策に専念したいので総裁選挙には立候補しない」と表明したことを明らかにした。
NHKによると、菅氏は午前11時半すぎに党本部で行われた臨時役員会で、不出馬の考えを明らかにしたという。
実行力に定評のある成功した政治家とみられていた菅氏は昨年9月、約7割の得票で自民党総裁に選出された。
菅氏の就任については、安定性や安倍前首相からの継続性のイメージを打ち出すための自民党内の取り組みとの見方が多かった。両氏は8年近く続いた安倍氏の首相在任中に緊密に協力し、菅氏は政権の内閣官房長官を務めていた。
しかし、菅氏が安倍氏の影を完全に抜け出すことはなかった。特に新型コロナウイルス対策に批判が集まり、野党は菅政権の対応の遅さや決断のなさを批判していた。