カブールで女性がデモ行進、タリバンに異例の「挑戦」
(CNN) 女性の権利抑圧が懸念されるイスラム主義勢力タリバンが実権を握ったアフガニスタンの首都カブールの路上で3日、男女平等や政治活動への全面的な参加を要求する女性たちが小規模なデモを決行したことがわかった。
CNNはデモの発生を確認した。タリバン統治のあり方に公共の場で異議を唱える異例な行動ともなっている。
デモ行進を仕掛けたのは「女性の政治的参加ネットワーク」と名乗るグループで、財務省前で実施した。政権参加を求め、憲法に基づく法律制定を促すビラなども手にした。
グループがライブ配信した映像ではデモに参加したのは数十人。映像ではタリバン構成員と一部の女性が一時、対峙(たいじ)する様子もみられた。女性たちの唱和が再開される前、「立ち去れ!」と命じる男性の声も聞かれた。
タリバン指導陣は表向きには社会における女性の顕著な役割や教育の権利を支持する立場を表明。ただ、イスラム法の独自の解釈に沿う施政を進める意向も声明で示し、タリバンによる旧政権と同様、女性の権利抑圧が復帰するとの危惧も強まっている。
身の安全を期して在宅を選ぶ女性も出て来ており、全身を隠す女性用の着衣ブルカの購入に走った家庭もある。
同国西部ヘラート市でも2日、カブールと同様の女性たちのデモが発生。「女性の支援なしの政府は続かない」「全ての分野における教育と就労の権利」などと記した横断幕も掲げて行進した。
ただ、著名な女性活動家はCNNの取材に、自らへの直接的な威嚇がありヘラートのデモには参加しなかったと告白。加われば報復される可能性が生じるだろうと打ち明けた。