原子力潜水艦とは何か、その仕組みは? 豪州の軍事的野心を解説
CNNは2015年にバージニア級潜水艦「ジョン・ウォーナー」を取材した際、その内部を見学した。
この潜水艦は潜望鏡すら持たず、フォトニクスマスト(高精度の赤外線カメラを含む高度な電子機器)を使って戦場を監視する。情報は司令室の大型スクリーンに表示され、ジョイスティックで全ての画面を操作する。
英国のアスチュート級4隻は米国の潜水艦よりさらに高速で、潜航しながら時速56キロ以上を出せる。米国のものと同様、トマホーク巡航ミサイルを搭載している。
英王立海軍のウェブサイトによると、「トマホーク4は同ミサイルの最新型となる。以前のトマホークを上回る射程(1600キロを優に超える)を有し、飛行中に新たな目標に向けて方角を調整したり、母艦となる潜水艦に戦場の画像を送信したりできる」という。
オーストラリアが求めているのは、こうした火力と航続時間だ。同国は北部沖の海域を敵海軍の脅威から保護するとともに、南シナ海へ海軍力を投射して米国と共に中国の影響力をそぎ、「航行の自由」を守ることを目指している。
弾道ミサイル潜水艦
米英のブーマーには、複数の核弾頭を積んだトライデント弾道ミサイルが搭載されている。その任務は本質的に、ほとんどの時間を潜航しながら数カ月連続で海中にとどまり、敵の核攻撃に対して報復攻撃を実施する備えをしておくことにある。
弾道ミサイル潜水艦は水中での静粛性が高く、発見は極めて難しい。抑止力の要となる存在であり、米英の敵国が核による第1撃を実施した場合、確実に恐ろしい代償を支払うことになる。