ブラジル大統領、上院委員会が訴追を支持 コロナ対応めぐり
サンパウロ(CNN) ブラジルのボルソナーロ大統領が新型コロナウイルス感染拡大に適切な対応を取らなかったとして訴追を勧告する報告書が26日、上院の特別委員会で承認された。
同委員会は6カ月間の調査を経て、1288ページに及ぶ最終報告書を先週公開していた。新型コロナ対応をめぐり、2つの企業とボルソナーロ氏を含む78人の訴追を求める内容。政府が「集団免疫」を目指した結果、多数の死者を出す感染拡大を招いたとして、同氏を犯罪の扇動や人道犯罪で訴追するよう勧告した。
26日の採決では、メンバーの上院議員11人のうち7人がこれを承認した。
報告書は今後、アラス検事総長に送られるが、ボルソナーロ氏に近いアラス氏が実際に訴追に踏み切る可能性は低いとみられる。
委員会はさらに、国際刑事裁判所(ICC)にも報告書を送付する方針。委員会の報告者を務めるカリェイロス議員は「感染拡大の責任は主に大統領にある」と主張し、ボルソナーロ氏を「連続殺人犯」と呼んで非難した。
ボルソナーロ氏は委員会に政治的な偏りがあると主張してきた。25日に出演したラジオ番組でも報告書を批判し、かかわった委員らの動きを「ばかばかしい」と一蹴(いっしゅう)していた。