中国、新たなCO2削減目標を国連に提出 「期待外れ」との声
(CNN) 中国は28日、英グラスゴーでの国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の開幕を31日に控え、二酸化炭素(CO2)排出量の削減計画を国連に正式提出した。目標の引き上げ幅はわずかだった。
中国に対して削減目標の大幅引き上げや脱炭素化計画の前倒しを要請していた指導者にとっては、期待外れの内容となっている。
欧州の気候政策シンクタンク、E3Gのニック・メイビー最高経営責任者(CEO)は、中国の新しい計画は「期待外れで好機を逸する」ものだとコメント。「クリーン技術の費用が大幅に低下し、世界で気候変動の影響が深刻化しているにもかかわらず、中国は新たな目標で2020年代の排出量削減を明確に約束していない」と指摘した。
中国は新たな計画で、30年までにCO2排出量をピークに持って行き、60年までに実質ゼロを達成すると表明。この目標は習近平(シーチンピン)国家主席が以前に打ち出していた。このほか、国内総生産(GDP)当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を30年までに05年比で65%以上減らすことも盛り込んだ。
中国の以前の目標ではCO2排出量のピーク時期を「30年ごろ」、削減幅を05年比で60~65%としており、控え目な目標引き上げにとどまった。
中国はすでに、化石燃料への依存度を60年までに20%未満に削減する方針を発表している。現状では石炭が中国の主要なエネルギー源となっており、暖房や発電、製鉄に広く使われている。昨年は国内のエネルギー使用の60%近くを石炭が占めていた。