米受け入れ再開、欧州からの旅行者が続々 感染の再拡大に懸念も
出発便の案内板には米国行きの便名が次々に表示された。中には、再び欧州で感染が拡大して世界から切り離される前に、家族や友人と会えるチャンスは今しかないと考える旅行者もいた。
CNNの取材に応じた男性は、米ロサンゼルスに留学中の子ども2人に会いに行くと語った。米国に渡航できるのは2年ぶりだといい、「これが自由だ」と歓迎しながらも、欧州の感染拡大をめぐる不確かな状況の中で「国境がもう一度封鎖されるかどうかは分からない」と不安そうな様子だった。
欧州のルフトハンザ、ヴァージン・アトランティック、スイス航空、ブリティッシュ・エアウェイズなど主要航空会社は、8日の米国便が満席かほぼ満席になった。
専門家によると、欧州で新型コロナの感染者が増え続ければ、冬の風邪の症状と相まって、クリスマスから新年にかけて医療が逼迫(ひっぱく)する事態も懸念される。
それでもドイツのペーター・アルトマイヤー経済技術相は、米国の旅行者受け入れ再開について「両国関係にとっても、経済にとっても、人々にとっても良いことだ」と歓迎し、ドイツ国内での症例数急増についてはほとんど言及しなかった。