英パーティー疑惑で報告書公表 ジョンソン首相の「指導力の欠如」を非難
(CNN) 英国で新型コロナウイルス対策の厳格なロックダウン(都市封鎖)が敷かれていた時期に政府関係者がパーティーを行っていた疑惑で、英政府は先月31日、内部調査の報告書を公表した。調査では複数回のパーティーが開かれていたことが判明。過度の飲酒を行う文化や、政府内の「指導力の欠如」も指摘されている。
政府高官のスー・グレイ氏が作成した報告書は、政府に求められる基準の「深刻な不履行」があったと非難。多くの国民が友人や親戚に会えない状況で一連の大規模な集まりが開かれたことは「正当化しがたい」と述べた。
また、警察が少なくとも12件の催しについて捜査していることも明らかにした。この中の少なくとも2件にはジョンソン氏本人が出席し、他の1件は同氏の居宅で開かれていた。
警察の捜査が同時進行中のためグレイ氏の報告書は大幅に削除されているが、調査結果は全体的に強力な内容で、ジョンソン氏を崖っぷちに追い込むのに十分だった。ジョンソン氏は議会で自ら「問題を修正する」と主張し、多くの改革の実施を約束。しかし辞任を求める声が全方面から寄せられ、自党議員の支持をさらに失ったことも露呈した。
報告書は「官邸や内閣府のさまざまな場所で、さまざまな時期に指導力と判断力の深刻な欠如があった」と指摘。「問題の集まりの少なくとも一部は、政府中枢で働く者に期待される高い基準だけでなく、当時の全国民に期待される基準も守らない深刻な失態を示している」と述べた。
ジョンソン氏は当初、首相官邸でのパーティー開催を否定していたが、メディアの報道で複数回の集まりが行われていたことが明らかになり、報告書の作成を委託した。これとは別に、先週には警察の捜査も開始された。