アムネスティ、イスラエルを「アパルトヘイト」と非難、パレスチナ人の処遇めぐり
エルサレム(CNN) 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは1日、イスラエルのパレスチナ人に対する扱いを「アパルトヘイト」と呼んで非難する報告書を発表した。これに対してイスラエル側は「反ユダヤ主義」と反発している。
約300ページの報告書では、パレスチナ人に対する「強制移住、勾留、拷問、不法殺傷などの非人道的行為、および基本的人権や自由の否定、迫害」について詳述し、「パレスチナ人に対する組織的抑圧と支配の体制」が作り出されたと指摘。「イスラエル国家は、パレスチナ人を劣等の非ユダヤ人集団とみなしている」と結論づけた。
アムネスティのアニエス・カラマール事務総長は1日、「我々がアパルトヘイトと呼ぶのは、これが国際法に基づくアパルトヘイトだからだ」と述べ、「パレスチナ人に対する統制と支配を徹底させる目的で、体系化された法律、政策、慣行、入り組んだ官僚機構が存在していることが分かった」とCNNに語った。
イスラエルの人権団体B'Tselemと、米人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチも同じ問題を指摘する報告書を発表している。アムネスティの報告書は、1967年以降にイスラエルに占領されたものの正式には併合されていないパレスチナの領土や、イスラエル国内の領土に関するイスラエルの政策について検証している。
この報告書についてイスラエルは、正式発表前から「虚偽と偏見」に満ちているとして非難していた。
イスラエルの外務省報道官は報告書の発表前に開いたオンライン記者会見で、アムネスティが「ユダヤ人の故国としてのイスラエルの存在を否定する目的で」二重基準を用いていると非難。外務省は別の声明で「これこそまさに、現代の反ユダヤ主義の構成要素」と位置付けた。