米国がウクライナ首都の大使館閉鎖、残る職員を西部に移動
(CNN) ブリンケン米国務長官は14日、ウクライナの首都キエフにある米大使館を閉鎖し、同国に残る少数の外交関係者を西部リビウに「一時的に移動」させると明らかにした。「ロシア軍増強の劇的な加速」を理由に挙げている。
ブリンケン氏は声明で「私がこれらの措置を命じる理由はただ一つ、我が国の職員の安全だ。我々はウクライナに残る米国人の即時出国を強く促す」と述べた。
さらに、こうした「慎重な予防措置」は米国のウクライナへの支援や関与を損なうものではなく、ウクライナの主権と領土的一体性に対する米国の決意は揺るぎないと説明。米国は外交的解決を図る真摯(しんし)な取り組みを継続しており、ロシア政府との関わりを維持しているとも述べた。
そのうえで「ロシアが誠実に関与することを選べば、外交の道は残されている。条件が許し次第、大使館に職員を戻せることを期待する」とした。
これに先立ち米国は大半の政府職員にウクライナ出国を命じ、米大使館の領事業務を13日時点で停止すると発表。米国務省は先週末、緊急対応のためリビウに小規模な領事拠点を維持する方針を明らかにしていた。
米当局者はロシアによる侵攻が今週にも始まる可能性があるとして、米国人にウクライナを即時出国するよう繰り返し呼び掛けている。
特にバイデン政権はロシアが空爆やミサイルで侵攻を開始し、民間人の無差別殺害につながる可能性があるとの見方を示しており、米外交官の安全への懸念はここ数日で高まっている。キエフはロシアが兵力増強を続けるウクライナ・ベラルーシ国境から2時間しか離れていない。