ウクライナ、ロシア提案の人道回廊を拒否
ウクライナ・キエフ(CNN) ウクライナは、ロシア政府が提案した、ウクライナの住民が避難するための「人道回廊」を拒否した。提案された回廊の大部分の行き先がロシアかベラルーシとなっているほか、戦闘が継続している地域を通過する必要がある。
ロイター通信によれば、ウクライナのゼレンスキー大統領の報道官は、ロシア政府の提案について「完全に不道徳だ」とし、ロシアがテレビ画像のために人々の苦痛を利用していると指摘した。
ウクライナのベレシュチュク副首相はロシア側の発表を受け、ロシア政府に対して、ウクライナ側の提案した回廊の受け入れと停戦の実施を求めた。ウクライナが提案している回廊は大部分が民間人をウクライナ国内にとどめるものとなっている。
国連もロシアの提案を非難した。国連のドゥジャリク報道官は記者団に、「人々が選んだ場所に行けて、そこが安全であることが重要だ」と述べ、ロシア政府の提案を拒否した。
ロシア軍が包囲するマリウポリからの人道回廊設置に関する協議は2度にわたって決裂していた。首都キエフ近郊イルピンの市長によれば、ロシア軍の攻撃によって6日に子ども2人を含む一家と複数の民間人が死亡した。
ウクライナ当局によれば、イルピンの検問所に2発の迫撃砲もしくは大砲の砲弾が直撃した。この地域は過去数日にわたってロシア軍からの激しい砲撃に遭っていた。
米国のブリンケン国務長官は先ごろ、ウクライナで民間人に対する意図的な攻撃が行われているという信頼できる報告を受けており、これは戦争犯罪とみなされる可能性があるとの見方を示した。